ヨットって? その24 ぶじ帰る(風下編)

帰りは下り

セイリングできれば、風上に帰る場合の方が簡単かもしれません

ブームを大きく出さなくてもいいし、風を逃がしやすいからです

風下に帰る場合はどうしてもブームを大きく出さざるを得ません

でも、大きく出し過ぎる(60度以上)とバランスコントロールがむずかしく、沈させられます


この風域(最大15m/sオーバー)では、後ろ風になる前、止まっている状態からの走り出しでは、ブームを大きく出しておかざるを得ません

ハイクアウトでフラットにできるヒールパワーに留めなくてはならないからです

ブームを大きく出しておかないと走り出しさえできません

この状態で走り出し、下に向けた途端、今まで裏風が入っていたセール全部に風のパワーが漲ってしまうんです

そこへオーバーパワーの風圧かかって、とってもでっかいローリング!

これ、アンヒール沈くらいます


こうさせないためには、走り出してスピードが付いたらシート緩めてフラットにして下に向かい、後ろ風になった瞬間、素早くシートを引いて、ブーム角度は60度!
※アビーム過ぎて後ろ風になる前にシートを引いてしまうとオーバーヒール沈します


この風域でブロードリーチを走ると、見かけの風は前に回って、まるでアビームからクローズリーチを走っているような風向きになります

本当の風向きは波で判断しましょう

ほとんどの場合フルハイクですが、わずかに裏風が入るくらいのシートの引き具合で、意外に楽にフラットを保てます


しかし、変化が激しいこの風域でフラットを保つのはフルハイクだけではちょっと・・・

ヒールの変化の速さに体の動きはほとんど間に合いません

ティラーでのヒールコントロールが主役です

アンヒール来そうなら上に上らせ、オーバーヒールになりそうなら下に行きましょう

風上に帰る場合とは反対です

どうぞ混同しませんように


この場面、ヒールまたはアンヒールしそうなときにティラーを動かさないと間に合いません

ヒールまたはアンヒールしてからでは、ヘルムが大きくなり過ぎてしまいます

これもご自分の直感を信じてください

最大10m/sをこなせた方なら、もう直感は備わっています


ヒール来そうなら下に、アンヒールになりそうなら上にを続けていると、航跡はS 字を描くことになります。

このS字走法、通称スネークと言います

風が強くなればなるほど、大きなS字を描くことになります

ヒールは気付きやすいので、ついつい下にばかり行ってしまい、いつの間にかデッドラン近くになって失速沈

よくあります

どうぞ下に行った分、隙を見て上に戻してください


最後にメインシート

ヒールしそうなとき、身体もティラーも間に合わない!と思ったとき、どうぞメインシートを10数センチ緩めてください

アンヒールしそうなときは、2~30センチ引き込んでください

スピード出てますので効果抜群です

これもヒールが治まったら元に戻します


ブーム角度は60度、これ以上は出さないでブロードリーチを走りましょう

デッドランに近づけるとスピードダウンして大ローリング

または前の波にバウ突っ込んで恐怖のバウ沈

アビームになると抑えきれないほどのオーバーヒール

ブロードリーチしか走れません

帰着ポイントと同じくらいの(風に対する)高さまで艇を風下に持っていくことが目的なんです


風上に帰るときもそうかもしれませんが、特に風下に帰るときはブームバングをギンギンに締めておくのは厳禁です

波がある程度高くなると、ヒールを直そうとメインシートを緩めたとき、ブームエンドが水面に着いてしまい、それ以上ブームが出ていかなくなり、オーバーヒールを防げません

どうぞブームが低くなり過ぎないよう、ほどほどの引き具合になさってください

 

 

 

 

 

ビー・ウインズ・セイリングクラブ

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