ヨットって? その17 起こす!!

いきなりブロー(風の強いところ)

風の大振れ

タッキングの回し過ぎ

ジャイビングの当て舵失敗、または不十分

クローズホールドのオーバーヒール

ランニングのローリング

対処遅れればすべてチン

英語で言えばキャプサイズ(Capsize) 転覆と言う意味です。

でも日本では通称チン(沈没の沈)でまかり通っています

転覆を沈と言う俗称の方が一般に流布していますので、ここでもその俗称をつかいます


誤解しないでいただきたいのですが、ヨットは転覆しても沈みません

転覆したヨットは浮いていて、非常に目立つので、レスキューはそのヨットめがけて駆けつけます

だから転覆したヨットから離れないことが鉄則です

ただ、艇体に大穴が空いていたら沈みます。

この場合は一刻も早く離れなければなりません


モーターボートや旅客船は転覆したら沈みます

ヨットが転覆しても沈まないのは、基本的に密閉構造になっているからです

転覆したら沈む船なのか沈まない船なのか、どうぞお乗りになる前にご確認ください

軽量小型のディンギー、沈は頻繁に起きます

ただし、わずかのバランス移動でリカバリーも容易にできます


おっ、吹いてきた、ハイクアウト、間に合わない、あ~…

よし、タックゥ~! う、動けない⁉ 何で⁉ ブームにライジャケがぁ~…

※ブームバングビンビンに引き込んでいるとよくあります

ランニングは左右に揺れるローリング、ヒール潰すつもりで出たらアンヒール

ジャイブでブームが返るタイミング、あれ⁉ まだ⁉ えぇ~い!


白波が出始めると慣れないうちは沈続出

沈起こし…バランスと風向きを計算に入れて1回で起こしましょう

ボードに比べりゃボートはでかい

片手でヒョイというわけには行きません(オープンスキフは例外)

無駄な体力浪費は禁物です

ひとり乗りは絶対帰る、が原則です

起こさなければ帰れません

以下、リカバリー一発勝負の肝心所です


①センターボードの上に登りましょう
※早めにあきらめてさっさとガンネルを跨ぎましょう

※落っこっちゃって、センターボードに登れなかったら、マストを足掛かりにセンターボード前方のガンネルにデッキ側から登れます

※完沈させた方が登りやすくなります

②メインシートの引っ掛かりを確認 引っかかっていたら外しましょう

③風向がセンターボード(ハル)側またはバウ側から吹いていることを確認
 ※マスト側から吹いているのであれば、マストトップを少し海面の上に上げて風を入れるとヨットが回ってバウ側からの風になります

④マストトップが海面から4~50センチ持ち上がったらコックピットに飛び込みます

⑤これに遅れて、中に入れなかったら、ブームの位置を確認して反対側からヨットに這い上がります

⑥艤装を確認して再帆走です



起こしたときに自分がいる側とは反対からの風

メインシートが引っかかっている

起こしたヨットにブーム側から這い上がろう

すべて再度の沈となります


やっと起こしたのに・・・

バランスと風向き、おちついて勘定に入れましょう

沈もセイリングのうち

沈しなかった…なんとなく物足りなくなってきます

 

 

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