ヨットって? その28 マルチイメージ

ヨットはその原動力がペダルやパドル、またはエンジンのようなダイレクトなものではありません

風をセールに受けて走っていくという、どちらかといえば間接的な動力です

ダイレクトと言えないこともありませんが、風は目に見えず、セールを介してそのパワーがヨットに伝わりますので、その動力は間接的で、多少抽象的に感じられます

動力そのものが、ある程度の抽象性を持って感じられるということは、そのイメージを描ける範囲が大きく、ひとりひとりが自分だけのイメージを描きやすいように思えます

たとえばパドルが動力だとすると、どのくらい力を入れればどのくらいの効果があるのか、その具体的なダイレクトさで、イメージを描く隙が無いほど正確に捉えることができます

間接的で抽象性を伴ったヨットの操作では、抽象的な分だけイメージは膨らみ、多様化します

こ、こ、こいつはじゃじゃ馬だぁ!(レーザー初めて。強風に当たってしまった方)

ティラーは手綱ですね(乗馬クラブの方)

マンタに乗ってるみたい(ウインドサーフィン達人の女の子 オープンスキフに乗って)

みなさんやっぱり自らの意志で動く動物に乗ってるイメージです

お一人だけ魔法の絨毯と言った方がいました(レーザー初めて スループ艇達人)

さすがです、セイリング達人でないと抱けないイメージのように思えます

こいつはわがままでねぇ、このコはすぐにむずがって…、しょうがないヤツですよ、わはは…etc

みなさん、うれしそうにおっしゃいます

まるでヨットに人格(船格?)があるような…

また、人格としてとらえるのではなく、道具として磨き上げていく方もいらっしゃいます

小数点のミリ単位でチューニング

操作の道具(ロープやティラー)はもちろん、艇体やセール、そしてスパー類の形や素材まで研究する方も

自分の感覚を表現するのに必要だと思われる具体的なイメージを描かれているのでしょう

そして出会ったひとつひとつの風と波

ヨットに乗っていないときでも、海でなくとも、風を感じると、この風でのセイリングのイメージが細部まで鮮明に思い描けます

おっ、強い、西だな!

後風になった途端のパワフルセイリング、センターボードケースからの大噴水、前の波の背中にバウが突っ込んでいく姿…etc

穏やかな南風…ポートタッククローズホールド、波は正面近くでも波の合間のプレーニング、ティラーの心地よい抵抗感、ヨットが喜んで走ってる…いいなぁ…

風と波だけでなく、その時の地形や景色も浮かんできます

どのイメージにも限界はありません

思い付くままいくらでも深めてください

自由度を広げるのは自分自身

感じたままにイメージを縦横無尽に遊ばせる

ヨットってそういう乗り物なんです

手軽とは言えないヨットですが、おちつけて、快適で、自由を満喫できて、イメージを思いっきり遊ばせられるンです。

たかがヨット、されど… 乗ればわかってしまいます

 

 

 

 

ビー・ウインズ・セイリングクラブ

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